ご葬儀その後

知っておきたい、葬儀後

①お礼 基本的には喪主自ら出向き御礼の挨拶をするのが礼儀ですが、関係者が多いと大変なので家族協力して手わけで行いましょう。
宗教者へのお礼 葬儀でお世話になった僧侶・神職・牧師(神父)
葬儀の翌日にお寺を訪問し、僧侶に直接お礼を述べ御布施を差し上げます。
表書は仏教では「御布施」其の他は「お礼」とします。
葬儀費用として遺産の控除を受けられます。金額記入済み領収書を用意し、サインをしてもらう。
お手伝いして下さった方へのお礼 1週間以内に茶菓を持参し訪問してお礼します。お世話になった隣近所の挨拶も行いましょう。
故人の勤務先 上司・お手伝いいただいた方などに会葬の御礼に回る。
故人の私物など、整理して持ち帰ります。
②お香典返し
即返し 葬儀当日にお返しする方法。利点は後から香典帳を整理して発送する手配の、手間が省略できます。
お返しは香典の金額に関係なく同じ品物で行います。
忌明け返し 四十九日(三十五日)などの忌明けを期して挨拶状を添えてお返しするものです。
2分返し(香典の半額)3分返し(香典の3分の1額の物)などと言われております
寄付 お返しはしないで葬儀で残ったお金を社会福祉団体・難民救援活動・・・・
などへ寄付する物です。お付き合い関係で

③故人の持ち物の整理 遺品の整理は思い出も多く精神的につらいものがあります。高齢の場合、物によっては大変なので、遠慮せずに若い人達に手伝ってもらいましょう。形見分けは相手の気持ちを確かめてから贈る。
書類の整理 故人の証明書・証書・カード・財産に関する通帳や登記簿死後必要な書類は出来れば本人に1箇所に
まとめておいてもらうといいでしょう。
交友関係を知るうえで年賀状も大切な資料です。
財産価値のある物 預貯金・不動産、株の証券・絵画・書・陶器・宝石などの貴金属・自動車
記念となる物 資産価値が特に無いものの故人が大切にしていて記念になる物。
時計・趣味の収集物・日記・作品集・写真帳・着物・小道具・書籍その他です。
不要物の処分 処分にあたり不燃物などの区分けをしましょう。リサイクル用品・救援物資として活用。
④遺産の相続
遺言による分割 遺言内容に従う。自筆証書遺言、秘密証書遺言は家庭裁判所の開封・検認を受ける事。
公正証書遺言はその必要がありません。
遺産分割協議 法定相続人が分割について協議して決める。
全員一致の必要がありますが調わない場合は家庭裁判所で分割してもらう。
法定相続人で配偶者は常に相続人です。
子が第1順位、子も孫もいない時は親が第2順位、親もいない時は兄弟が第3順位です。
寄与分 同居して無償で老後の世話をしたなど、特定の相続人が個人の財産の維持や増加に貢献した。
寄与の程度において、寄与者が相続します。
その残りを相続人で分割します。利害がからみ問題がおきやすく、調停に持ち込まれる場合がある。
遺留分 遺言で分割を指定されても相続人には遺留分があります。
配偶者・子供は法定相続分の2分の1、親は3分の1、きょうだいにはありません。
法定相続人 配偶者と子の場合は共に2分の1、配偶者と親の場合は配偶者が3分の2、親が3分の1、
きょうだいと配偶者の場合は配偶者4分の3きょうだいが4分の1です。
⑤相続税
相続財産の確定 土地・家屋等の不動産、有価証券、預貯金、現金、家財、貸付金、他経済的価値のあるもの。
みなし財産として死亡退職金、生命保険などがあります。3年以内になされた贈与も相続財産として含まれる。
控除 葬儀費用、公益法人への寄付、借金
生命保険は500万×法定相続人数分
死亡退職金500万×法定相続人数分
基礎控除5000万+1000万×法定相続人数分
相続税の計算は専門家に依頼 相続税の計算は税理士・公認会計士など専門家に依頼するのが最善でしょう。
相続税の納付 相続税の申告・納付は相続の開始があったことを知った日の翌日から続税の納付10ヶ月以内です。
分割協議が調わなかった場合は相続分通りに申告・納付しあとから修正申告をします。
延納・分割・物納は税務署の承認が必要です。
相続財産の放棄又は限定相続 相続財産は相続人で協議し続分を、放棄して他の相続人に持分を譲ることが出来る。
借金(負債)が相続財産より多い場合は相続放棄・限定相続をすることが出来ます。
相続を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる。その時期を過ぎると単純承認したとみなされ、
負債まで相続することになります。気をつけましょう。
限定相続とは資産と負債のどちらが多いか判らない場合相続で得た範囲内で負債を弁済することで、
相続人全員で申し立てる。
⑥役所の手続き
世帯主の変更 14日以内に届ける。
姓を変更するとき 配偶者の死亡時、婚姻前の籍に戻りたい場合「複氏届」を又、
婚姻前の住所に戻りたくない場合は「分籍届」婚家と縁をきりたい時は「婚姻関係終了届」
クレジットカード
身分証明書
故人名義のカードは解約届けを出し、カード会社に返却。
会社の身分証明書は返却。
電気・ガス・水道の名義変更 公共料金の支払い名義人の変更は各相手先に連絡し変更する。
賃貸住宅・借地権借家権 契約のし直しは不要。寝意義変更のみ。
死亡証明書・住民票(世帯人員)・継承人の印鑑証明
講座引き落とし 自動引き落としが出来なくなるので、講座引き落としの新規申込が必要です。(公共料金・賃料など)
⑦生命保険
保険金の請求 保険会社に必要書類の確認、支払い請求をする。
保険証券、死亡診断書、戸籍抄本(死亡事実記載のもの)、戸籍抄本(受取人)、印鑑証明(受取人)等。
※契約者と被保険者が同一の場合、みなし財産となる場合相続決定後に請求する。
課税 相続人1人につき500万円の控除。
契約者と受取人が同一の場合、一時所得。
契約者、被保険者、受取人が異なるときは、贈与税。
⑧健康保険
国民健康保険葬蔡費 加入者が死亡の場合、葬儀を行った人に葬儀費支給
市区町村に役所に(国民健康保険証、死亡診断書、葬式費用の領収書を添えて)葬蔡費支給申請書を提出。
申込期限は2年以内
健康保険の埋葬料 加入者本人-被保険者埋葬料
加入者家族-家族埋葬料
申込期限-いずれも2年以内の請求
加入者本人の死亡の場合-事業主による死亡証明書、得られない場合は死亡診断書か火葬証明書の写し。
申請者は加入者と関係を示す書類添付、内縁の場合は生計維持証明書を提出。支給額は5万円。
⑨年金手続き
国民年金 国民年金に加入中または老齢基礎年金の受給資格を満たした人が死亡場合
遺族基礎年金、寡婦年金、死亡一時金のいずれかの給付を受けられます。
厚生年金 国民年金の遺族給付に加算して遺族厚生年金の給付(遺族が死亡者に生計維持されている。)
妻が高収入の場合、共働きの場合併給の選択
⑩所得税の確定申告
確定申告は4ヶ月以内 故人が自営業を営む場合1月1日から死亡時までの確定申告を死後4ヶ月以内に行う。
医療費控除 1年間に支払った医療費が10万を超えた分(200万円限度)に関しては控除対象となる。
保険等で補填されて分は除く。
医療費 死亡日までに支払った金額(通院費含む)は、死亡後は相続税申告時に控除されます。
⑪喪と喪中ハガキ
忌中…死後の混乱期に当たる49日まで(五十日祭)
喪中…悲しみの強い喪中とは死後1年までを言います。
追悼儀礼 四十九日まで7日おき、その後は百か日、一周忌、3回忌、七回忌、十三回忌、
三十三回忌(五十回忌)と法要を営みます。
神道では五十日祭まで10日おき、百日祭、一年祭、5年祭、十年祭、以後10年おきに五十年祭まで営みます。
キリスト教では決まりはありません。
喪中ハガキ 11月から12月上旬に「喪中にあたるため年末年始のご挨拶は差し控えさせていただきます」
との趣旨で喪中ハガキを出す習慣があります。
喪中ハガキを出し損ねた場合、年賀状を頂いた場合には「寒中見舞い」として1月15日過ぎにだします。
「昨年は○○が死亡し喪中につき年賀の挨拶を失礼致しました」をかいて返信するのが良いでしょう。
⑫仏壇と位牌
後飾り壇の撤去 仏教の場合葬儀後四十九日まで後飾りを設置します。
遺骨や位牌を安置いたします。
神道では仮御霊舎(かりのみたまや⦆を設けます。五十日祭までです。
塗位牌 白木位牌は四十九日まで用いますが、その後は塗位牌にかえて仏壇に納めます。
白木位牌はお寺に納めます。
位牌作成は時間がかかりますので早めに手配しましょう。葬儀社・仏具店で作ってくれます。
⑬お墓と納骨
納骨 四十九日、一周忌、三回忌などに行います。又葬儀後に行う場合もあります。
無理に合わせる事もありません。遺族の気持ちの整理がつき、納得した日時で良いでしょう。
墓地建立 墓地を建てる時期について四十九日とか一周忌とか言われますが、
何の根拠も無く建てられるなら一日でも早く建てられた方が、故人への供養となります。